看護師長だって辛い!┃元看護師長がスタッフナースとして転職して改めて感じた【看護師長の過酷な現状と尊さ】

看護の仕事

みなさん!どーも!ゆーさんです!久しぶりの投稿となります。

わたくし、看護学校の非常勤講師をしていまして、講義の資料作りで全然記事を書く余裕がありませんでした。無事に講義の準備も終わり、やっとブログを書ける余裕が生まれました。

今回のテーマは元看護師長の自分が師長を辞めて転職し、スタッフナースとして働き始めて改めて感じた【看護師長の過酷な現状と尊さ】を、同じような悩みを持つ現役の師長たちにエールを込めて伝えたいと思い記事を書くことにしました。

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ひとつの部署をまとめる看護師長は大変

看護の世界にかかわらず、どの職業にも個性的な人はいます。しかし特に女性が大半を占める看護業界は良く言えば個性的、悪く言えば【トラブルメーカー】【目の上のたんこぶ】かというくらいな人たちがいます。

スタッフもその部署の副師長や師長も、そんな【トラブルメーカー】的な人が休みの日はどこか気が楽で、病棟が和やかな雰囲気になっていることを実感したことが何度もあるのではないでしょうか?

師長に協力的な人非協力的な人周りに流される人自分さえ良ければいい人他人に興味のない人など挙げればキリがありませんが、

そんな超個性的な集団を、師長に就任すると『共通の目標』を掲げ部署を運営することになります。

いま現在、ひとつの部署をまとめようと奮闘している師長の皆さん、実際はどうでしょうか?みんな同じ方向を向いて業務にあたっていますか?

きっとそんなことは稀だと思います。目標を掲げスタッフをまとめる・・・並大抵なことではないですよね?僕もそれがとても大変でしたし一番のストレスでした。

そんな僕が大切にしていたことの一つは・・・

自分の思いや考えを絶対にブレさせない

師長に就任してから1年目は「どうしたらこの部署が良くなるのか?」「患者さんの満足度を保たなければ」「スタッフが働きやすいように」など、【何かを改善しよう・良くしよう】という思いが強かったことを覚えています。

周りのスタッフも1年目の師長に対して、期待と不安を抱きながら日々業務にあたっています。そしてスタッフはいろいろな意見や要望を、期待を込めて師長に伝えてきます。

問題はそこです。いろんな意見・要望を最初はすべて叶えたいと思ってしまう心理が働きます。スタッフの貴重な意見なので。たとえそれが自分の考えやビジョンとは違う方向であってもです。

ぼくが最初に失敗したのは、自分の思いや考えをブレさせたことでした。

あるスタッフは「師長は〇〇に賛成してくれた。」、またあるスタッフは「けど師長はこの間〇〇って言ってたよ!」と、結局なにが正解でなにがダメなのか?そのような事態となり混乱を招きました。

一度ブレたものを修正するのはとても大変な作業です。時にはスタッフとの信頼関係にも溝を作りかねないことにもなります。

師長も一人の人間なのでスタッフの役に立ちたいと日々考えています。もちろん「この要望を叶えたらこのスタッフからの好感度も上がるかな?」と考えることもあります。

ですが自分の思いや考えをブレさせてしまうと、結果的には部署全体の混乱を招き、師長の信頼を失うことになるので、よほどのことがない限りは、ブレないように自分の気持ちを強く持つことが重要です。

師長が発した言葉はすごく重い

ほとんどの師長はこのように感じていると思います。

スタッフの時ですら、何気ない会話から誤解を招き「あの人はあんなこと言ってる!」、「あの人が〇〇さんのことを悪く言ってる。」、「あの人からこんなひどいことを言われた。」など挙げたらキリがありません。

そのようなつもりで言ったわけではないのに、結局は相手側がどのように受け取ったかで内容は大きく変わってしまうことがありますよね?

それが師長の発した言葉だったら、その影響力はスタッフの比ではないです。時には病院全体を巻き込んでしまうことにもなりかねない事態となります。

ぼくも何気ない一言で大問題となってしまった経験があります。そこからしばらくは人と会話するのが怖くなって殻に閉じこもったこともありました。

一つの部署をまとめる師長の言葉の重みを痛感した苦い経験でした。

そこで僕が行った対策は

話す前にひと呼吸おいてから

これを習慣にするようにしました。

病棟でのスタッフとの何気ない会話の時や、お酒の席でもひと呼吸おいてから話すことを意識するように習慣づけました。

これができるようになると【自分の発言しようとしていたことがスタッフにはどう感じるのか?】と、考える時間ができ無用なトラブルは激減しました。

すごく難しくて大変で面倒臭そうに感じるかもしれませんが、師長までになった皆さんなら、そう難しくないはずです。僕もできましたから。

どんなに信頼しているスタッフにも部署内での個人的な話はしないほうがよい

勘違いしてほしくないのは【スタッフを信頼していけない。】ということではなく、信頼していても個人的な話や悩みを簡単に話したらダメということです。

師長も人間ですから、いろいろな面で抱えきれなくなる時があります。師長の皆さんもそんな経験はたくさんあると思います。

個人的に仲が良くて気の置けないスタッフもいると思いますが、そこでの発言もよく考える必要があると思っています。

僕もそのようなスタッフがいて、部署内での個人的な話をしてしまったことがありました。しばらくはなんの問題もありませんでしたが、ある日その人にしか話していない内容のことが、スタッフほとんど知れていることが発覚しました。

よくありがちな「誰にも言わないでよ。」という文言です。

その人が悪いのではなく、ほかの人に知られてほしくないことを話した自分が悪かった。ただそれだけのことですが、結局はスタッフとの関係性を悪化させる原因になることを学びました。

そんな時は、素っ気ないかもしれませんが、自分と同等の役職の人や上司に悩みなどは話したほうが無難です。他職種の人なら違う角度から話を聞いてくれるので良い時もあります。

師長職・課長職など、同じく部署をまとめている人たちは同じような経験をし同じような思いを感じています。

管理職同士の横のつながりはとても大切です。

仲の良い部署でもある意味では看護師長は孤独

これまで読んでいただけたみなさんなら感じているかと思いますが、

看護師長はとても窮屈でいろんな制約やしがらみがあって、「やってられるか!」と思っている人もいると思いますが、

正直言って師長とはある意味では孤独だと断言できます。それでも乗り切ってやっていける人が師長に選ばれているとも思っています。

看護師長以上は選ばれた人のみができる役職です

いろいろネガティブ要素なことを書いてきましたが、それでも世の中には数多くの看護師長が存在します。看護師長を長くやっている人もいます。

それはネガティブなことがあっても、それ以上にやりがいや誇りを持てるポジションだからだと、師長を辞めて改めて感じています。

現役の師長の時はなかなか自分を客観的に見る余裕がないくらい、日々の業務に追われていました。

いま僕は師長を退職し新たな分野でスタッフナースとして勤務しています。10数年ぶりのスタッフ目線で自分の所属している部署の師長を見ることができていますし、自分の師長時代のことを振り返りながら、業務を行うことができています。

管理職の経験は伊達ではなく、苦労していろいろなことを考えやってきたことが、今の部署で様々なところで知らないうちに発揮もできています。

スタッフナースでは経験できないことを今の現役の師長は経験しています。

いまさら何をこんなことを書いているのかと、ベテラン師長にはお叱りを受けるかもしれませんが、あえて書かせていただきました。

なぜならこのようなことで悩んでいる師長はたくさんいるからです。自分で乗り越えられる人は良いですが、そのような人は半分もいないのではないかと感じています。そんな悩める師長たちの力になりたくて、自分の経験を踏まえて書きました。

スタッフナースの教育やメンタル的なサポートは、時代とともに変化してコンテンツもたくさんありますが、それを束ねている師長のサポートなどについては、発信しているコンテンツが少ないと感じています。

師長は【仕事ができて当たり前】【スタッフをまとめられて当たり前】【自己犠牲が当たり前】などひと昔前の思想が根付いているのも現状です。

勤務表の作り方・・・1~2回練習したらあとは自分でやりませんか?

中間面談や年度末の面談など面談技術について体系的に学ぶ機会はどれくらいありましたか?

前師長からちゃんとした引継ぎはもらえましたか?

役職が上がれば上がるほどに閉鎖的で、誰にも教わらずに役割を遂行しなければならないのが師長以上の人たちです。

その慣習を覆すのは大変なので、ぼくは敢えてこれからも師長の仕事について発信して、同じような境遇や様々なことで悩んでいる師長たちのサポートをしていこうと思っています。

このブログを読んで少しでも共感してもらえたり、モチベーションが上がる師長がいればとても嬉しいです。

師長は誰でもできる役割ではありません。【あなたならできる】と思われているからこそ選ばれています。しかしそれが時に重たく、時に心を締め付けることになっていることもあります。

そんな時は何でもいいので、一人で悩まず、だけど所属しているところでは話せないことでも、顔も知らないゆーさんであれば協力できることがありますので気軽にメールなどください。

現役の悩める師長たちにとって、このブログが少しでも役に立てれば嬉しいです。

それでは今回はこのへんで・・・

ゆーさんでした!

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