これから看護師長となる方必見!【師長をしていて辛かったこと】を元看護師長がホンネで話します

看護師の辛い実情

みなさん!どーも!ゆーさんです!

いきなりネガティブなテーマですが・・・、

人事異動の時期が過ぎ部署移動や昇格された方がたくさんいます。その中で今回はじめて看護師長へ昇格した方もいます。

ぼくは看護主任を約15年看護師長を5年務めてきました(このたび退職しイチ看護師として新しい分野へ挑戦することにしました。)。

いわゆる管理職といわれる職位に約20年、看護師人生の3分の2以上を管理職として仕事してきました。

これから看護師長として職務に当たる方へ向けて、今までの経験から感じた看護師長としての辛さを紹介します。

辛いことばかりではなくいずれ最高に良かったことも記事に上げます。

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それではいきます。

看護師長をしていて辛かったこと

みなさんはおそらく副看護師長や看護主任時代を経て、看護師長になったパターンがほとんどとだ思います。

ぼくは看護主任から看護師長になりました。それなりに壁にぶち当たりましたが、なんとか乗り越えられました。

副看護師長や看護主任と比べて【精神的重圧やストレス】が段違い

やる前からわかっている人も多いと思いますが、実際やってみるとその想像は越えます。やはり主任や副師長時代とは違います。その時代に仕事ができたからと言って、師長が務まるとは限らないと感じています。役割が全く違います。

ひとつの部署を率いる重圧は相当なもんです。

自分のなにげない一言や行動、判断ミスの恐怖が付きまとう

患者さんや家族、スタッフに「師長が〇〇って言ってたから」と言われ、それが判断ミスだった場合は、病院全体の問題となることがあります。

部下との軋轢もうまれ、病棟運営が難しくなることもあります。そのため軽々しく発言ができなくて、委縮してしまう人も多くいます。

病棟で発生した部下のミスは師長の責

師長は部下のミスも自分のミスとみなされることがあります。もちろんその部署のトップなので甘んじて受けいれます。

その覚悟もあります。

そういう時に限って部下のミスや自分のミスが続いたり、上司から理不尽な叱責を受けることもあります。そんな時でも部下を守りフォローしなければならないのでココロが折れそうになることがあります。

看護師長の逃げ道はない

主任時代には師長が不在時の管理業務がこなせていても、それは自分の上に【師長がいる】という安心感と、【何かあったら師長に報告すれば良い】という逃げ道があります。

しかし師長は部署のトップなので様々な課題や問題から逃げることはできません

その精神的重圧は押して図るべしです。

看護主任時代のイメージがあり師長の業務に支障がでる。【嫌われる覚悟】が持ちずらい

副師長や主任から昇格して同じ部署にそのまま配属されることも多くあります。

メリットは新しく人間関係を構築する必要がないということ、その部署の業務に精通していることが挙げられます。

デメリットは主任時代のイメージが先行してそれが師長業務に影響する場合です。

師長業務を行う時は、ある一定のところで部下と距離をとらないと業務がしずらくなります。スタッフとなんでも言い合える、和気あいあいとした関係性は素晴らしいし理想ではありますが、時としてそれが師長業務を難しくさせます。

理由として、

看護師長はその部署の患者さんの安全を守り、スタッフを守るため、病棟全体のレベルを上げるために細かいところまで目を行き届かせ、時に重箱の隅をつつくような指導をする必要があります。

その時にスタッフとあまりに仲が良すぎると、業務上厳しく指導しなければならない時になあなあで終わってしまって、結果としてその病棟全体の評価を落としてしまう事になりかねません。

また重大な事故発生の可能性も高くなります。厳しいことを言うのは誰でも好きなことではないですが、とくに師長は【嫌われる覚悟】がないと務まらないと思っています。

ぼくは経験上それがとても難しく一番精神をすり減らしました。

結果としてスタッフとある程度距離をとることで何とか業務を行うことができました。

その代償として【孤独】を感じていました。

自分が思っていたよりも【孤独】だった

先の項でも書きましたが、ぼくはスタッフと一定の距離をとることが必要だと感じています。本当は以前のように和気あいあいと仕事をしたかったんですが、僕は無理というか距離が近いと管理業務が難しく、そこまで器用に立ち居振る舞いができなかったので、あえて距離を置くようにしたことで【孤独感】をあじわいました。

おそらくどの師長たちも少なからず孤独感はあると思います。これはやったことのある人しかわからないと思いますが、一つの部署のトップになるということは、馴れ合いで病棟運営ができるほど生易しいものではなく、どこかで厳しい面が三面くらいないとダメだと感じています。

弱い自分を見せづらくなった

普段は平気な顔で【何でも来い】的な、余裕を醸し出していますよね。トップが自信なさそうにソワソワしていると部下達が不安になります。

自分がその部署のトップとなってから弱いところを見せることで、スタッフが不安になるんじゃないかと思って見せづらくなりました。

まだまだ分からない事、スタッフがやった方が上手な処置などあります。正直に「わからない」と言えることもありますが立場上言いずらくなったのも事実です。

スタッフや看護主任からの【期待の高さと自分の実力のギャップ】が辛い

「師長なら何とかしてくれる」、「師長なら院長にビシッと言ってくれる」、

「師長なら・・・」、「師長なら・・・」と周囲からの期待が高いです。

「みんなの期待に応えられなかったらどうなるんだろう?」と内心はビクビクです。自分にそんな能力があるのか?

自問自答します。

一つひとつの期待に応えていくうちに、自分の師長としての能力も向上するとは思いますが、まわりの期待が高いが故に正直常にココロが休まらない気がします。

経営陣・看護部とスタッフ看護師間との【板挟み】が辛い

看護師長は経営陣の意向を現場に伝えて実行してもらう立場にあります。

経営陣の指示が、自分や現場の看護師の意見と合わない場合もあり納得を得られないこともしばしばあります。

そもそも自分が納得しきれていない事項もあるので、それを伝えるのも難しいしスタッフの気持ちを最優先したい気持ちと、師長としての職責で無理にでも納得させなければならない申し訳なさがあり悩むこともありました。

経営陣と看護師との板挟みが辛いです。

【患者さんとかかわる時間】が極端に減ったことが辛い

看護師だからやっぱり患者さんとかかわることが好きです。なんど患者さんに助けられてきたことか。

管理業務を行うようになって極端に患者さんと関わることが減りました。みなさんもそう感じるはずです。僕にとってはとても辛いことです。

ある師長はそこをあきらめている人もいます。

少なからず看護師は患者さんとの関りからエネルギーをもらうことがありますよね?その時間が減ってしまうのはとても辛いことです。

そのため僕は業務開始の一時間前に出勤して、朝の時間に患者さんとコミュニケーションを確保するようにしましたがそれでも全然足りないです。

【臨床現場から離れていく】自分への不安が辛い

管理者として管理業務として臨床には携わってはいますが、日々のスタッフ業務はほとんど行わないです。

というか行うヒマはないですよね。それほどに管理業務はたくさんあります。管理業務の能力は、日々の積み重ねで向上するかもしれませんが臨床でのイチ看護師としての能力が、低下していくのではないかという不安がありました。

実際人員が少ないときに、スタッフの業務を行うことがあります。

「あー!師長ー!〇〇忘れてますー!」とリーダー看護師にフォローしてもらったり、「今日は師長さんが血圧を測ってくれるんですか?」と恐縮され、普段よりも血圧が高くなってしまう患者さんがいたりと・・。どんどん臨床の現場から離れている自分への漠然とした不安がありました。

おそらくみなさんもそのような経験をすると思います。

師長になったから現場はスタッフに任せて管理業務に没頭するのも間違いではないです。ただ臨床からあまりにも離れすぎると、スタッフの気持ちに共感できなくなります。そのバランスはとても難しいですね。

ぼくは【イチ看護師】の部分は持ち続けたいと思っています。いままで勤務していた病院では、月に3度、地域の夜間外科当番病院を受け持っていたので、外来の師長やスタッフにお願いして一緒に業務をさせてもらっていました。

その時間はスタッフと同じ業務なので、「自分は看護師なんだ」という気持ちに戻ることができました。

【シフト作成後のスタッフの反応や勤務調整】が辛い

いつも平等なシフト作成を心がけていましたが、スタッフ全員に納得されるシフトの作成は到底無理でした。人員が十分に確保されていれば、それも可能だったかもしれませんが、そんな施設は数えるくらいだろうし、どの師長もギリギリでやり繰りしていますよね?

シフト作成後の反応が辛い

気にしなければいい話ですが絶対気になります。

ぼくはシフト作成時の自分のルールとして、【夜勤明けを入れて5日間以上連続勤務をつけない】【休みの希望はできるだけ叶える】【お互い様の気持ちを持ってもらう】というのを決めてました。どうしても無理な場合は、必ずそのスタッフと相談して決めます。

シフトの作成自体は最初こそ大変でしたが、パズルのようなもので慣れてくると1~2日程でできるようになりました。いろいろ自分なりにスタッフのことを想って作成し、自信をもって出したものが、「ここ連休いらなかったのに・・」「〇〇さんと夜勤が多い」などなど、

コソコソとそんな声が聞こえてきたり・・・、「ここ、こういう風にしたらどうですか?」と言ってくるスタッフも中にはいました。「そこいじったらあそこの勤務つかないんだよね・・」と心の中で思う時もあり、「一回作ってみろ!」と言いかけたこともありました。

シフト作成も作ったことのある人しかわからない気づかいや苦労が大いにありますよね?

それが毎月決まった時期にやってきます。シフト作成はホント大変なんです。不思議なことにシフトを作成して一段落したと思ったら、もう次の月のシフトの作成をする時期になっているという・・・。常にシフトに追われている錯覚がありました。

急な休みなどで欠員が出た時の勤務調整が辛い

自分や子供の体調不良や家族の不幸など、急に休まざるを得ないことがあります。常日勤で勤務してくれている方なら、まだ夜勤の調整をしなくても良いので気が楽です。

夜勤も休日日勤も関係なく制限のない勤務をしてくれている方が、急に休んでしまう場合の調整の時が難しいですね。余裕なくギリギリでシフトを組んでいるので、特に夜勤の交代を依頼するのが辛く感じていました。

看護師長の業務を遂行するのは簡単じゃない

長々と偉そうに書きましたがこれが今までの経験から得た僕の本音です。

ひとつの部署のトップとなることがどれだけ大変で、どれだけ精神的重圧を感じているかわかってくれたと思います。

今回はネガティブな部分を中心に書きましたが、こんな事ばかりだと世の中から看護師長が居なくなってしまいます。

じゃあなぜ看護師長を続けられるのか?

それはネガティブな部分を補って余りあるポジティブな部分があるからです。

いつかそのことについて書きます。

師長になりたての頃、経験談などいろいろ検索しましたが、看護師長自信がブログでこのような記事を書いているのが少なく必要と感じたので記事としました。

これを読んで共感してくれたり、参考になってもらえると嬉しいです。

元看護師長になったゆーさんでしたー

bye!

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